サヨヒナ物語  潜在意識  子育ての法則 

2019.01.10 Thursday 20:11
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     沙代は 家までの坂道を 足に力を入れ、

    地面を踏んでいることを確かめながら、懸命に走り始めた。
     

     おばあちゃんなら、きっと、昨夜の出来事の意味を、知っているかもしれない。

    神様からの判決が下される前に、手を打つ攻略方法をおばあちゃんに聞いておきたいと思った。

     

     ラジオ体操が終わって家へ辿りつくと、

    おばあちゃんは、いつもと変わらない感じで炊事場で朝ごはんの準備をしていた。

    いつもと 同じ空気だ。

    ・・・・・・良かった。

     

     沙代は炊事場の流し台にいるおばあちゃんのふっくらしたお腹に、

    甘えて泣きたいのを抑えて それでも 心なし自分の体をすがりつく様にくっつけた。

     

     おばあちゃんは、まな板を洗いながら、優しく笑っている。

    呑気に笑っている場合じゃないのよ!

    でも、もしかしたら おばあちゃんは何か知っていて笑っているのかも・・・・・・。

    怖い・・・・・・。

     

     沙代は、おばあちゃんの何でも入っている不思議なポケットが付いているエプロンの裾を引っ張り、

    小さい声で恐々と聞いてみた。

    「・・・・・・あのね。昨日の夜、女の人が、私に、鏡を向けてピカって光って、何も見えなくなって、真っ暗になって

     それでね。太陽みたいなオレンジ色の光だけが見えたの。ねぇ〜あの女の人はだれ?あなたに鏡を与えます。でも、その鏡はいつもは裏にして伏せておきなさい。いつもは裏にして、あなたが必要な時にだけ表にして それを使いなさいって聞こえてきたの」

    沙代は興奮して 大きな声で 昨日の夢で見た内容を印象が深いところだけ話した。

    本当は もっと 怖い怖い夢だった。

     そう。あの時、神聖な空気が流れたその中に、3人の女の人が現れ、両端の女の人は付き人なのか、

    手に持っていた提灯を、「どうぞ。準備はできています」という感じで、真ん中の女の人の袖あたりに灯りを向けた。

     すると、真ん中の着物をきた女の人が、袖の中から鏡を取り出して・・・・・・。

    あの時の夢の話をおばあちゃんに詳しく伝えると もっと もっと 怖いことを言われてしまいそうだった。

    それに 思い出すのも怖くなった。

     

    沙代は、おばあちゃんの反応が怖かった。

    「沙代・・・・・・何か悪いことをしたの?もしかしたら・・・・・・それは天照大御神の祟りですよ」

    なんて言ったらどうしよう・・・・・・。

    そう、心の中で不安になり、お婆様の眉の動き一つ見逃さない様に、下から見上げて判決を待った。

     

     しかし、お婆様は、沙代の心配を余所に

    「あら、私は、残念なことに、沙代の夢の中を見てないから残念。分からないわよ。ハハハハハッ」

    おばあちゃんのお腹が動いて、エプロンが揺れていた。

    ・・・・・・おばあちゃん!笑いごとじゃないわ!信じてよ!と心の中で叫んでいた。

    でも・・・・・・確かに おばあちゃんは、私の夢の中を見ていないけど

    ・・・・・・なんで見てくれていないのよ。

    こんな一大事なのに!ケチッ!

     

     沙代はおばあちゃんのエプロンの裾を握り直して強く引っ張った。

    沙代は、自分だけ置き去りにされた気分だった。

    だれからも信じて貰えない狼少年みたいじゃない・・・・・・。

    大声で 泣きたくなった。

    嘘じゃないもん!嘘じゃないもん!

    夢だけど 夢の話だけど・・・・・・。

     

     でも・・・・・・あれは夢じゃない気がする。

    生々しいあの時の光の渦。

     

     昨夜の事を思い返してみた。

    思い出すほど、現実に思えてきた。

     沙代はおばあちゃんの袖口をつかんだまま、茶の間のテレビが目に入ってきた。

    まだ誰も座っていない茶の間に向かって、一人で勝手に喋っているNHKのアナウンサーの声の方が、

    余程嘘っぽく聴こえてきた。

     

     おばあちゃんのエプロンの裾を握ったまま、小さい声でボヤいているテレビの放送を眺めていた。

    おばあちゃんは、沙代の顔を見ずに、硬い表情で、流し台の蛇口を、キュウと閉めた。

     

     そして、そのまま、じっと、窓の外へ目をやり、そこから見える冨士ケ丘神宮へ繋がる細道を見ていた。

    沙代は小さいから、抱っこしてもらわないと見えない景色を、おばあちゃんは見ている。

     

     おばあちゃんは、口を真一文字に、ギュッと閉めて、

    何でも入っている不思議なポッケから黄金糖の飴を一個取り出した。

    “はいっ”と言って、沙代の右手の手の平に乗せてくれた。

     

     ・・・・・・おばあちゃん、あのねぇ、飴を貰ったことは、嬉しいけど、

    黄金糖の飴よりも・・・・・・今は罰かどうか知りたいんだけど。

     

     沙代は下を向いたまま、キラキラ光っている黄金糖の飴を見つめた。

    おばあちゃんは、うつむいていた沙代の頭を撫でて、

    プヨプヨした体で、ギュッと抱きしめてくれた。

    おばあちゃんは、沙代の目を優しく見つめ笑ってくれた。

    そして、「それは夢」と言い、床の間に連れられた。

     

     ・・・・・・そう、それは夢なんだけど。

     

     8畳の床の間には大きな仏壇がある。

    沙代の家で、毎日朝一番最初にすることは、仏様への御仏飯をお供えすること。

    床の間には、天井の板に絵馬が描かれている。

    怖い顔をした青鬼や赤鬼達が、今にも沙代を襲いそうな格好で大きな目をして見ている。

    一人だけ天女みたいな女の人だけが、フワフワとした感じで描かれているのを見て余計怖くなった。

     沙代はこの床の間へ一人で座ることができない。

    天井は見ないことにしている。

    お盆で親戚が集まったら、従兄弟やおじさん達は、

    前代未聞くらいのかなりの怖がりである沙代をからかって泣かすのが、

    イベントになっているほど、沙代は怖がりであった。

     

     沙代の家は、田舎だから、外にトイレがあった。

    トイレへ行くと、よく青いリンや白いモヤモヤした物が見えて泣いていた。

     床の間には、夜中になると、空気が変わって、

    猫や獣がモヤモヤ動いているのが見える。

    だから怖かった。

    けれど、みんなそれを嘘だと思って泣かされてばかりだった。

     

     その怖い床の間に、おばあちゃんに手を引かれて、一緒に座った。

    おばあちゃんは、静かにゆっくり座ってから、仏壇の方をしっかり見つめた。

    そして、天井を見上げ、なぜだか頷いていた。

     

     ロウソクに火を点けて、線香立てから、お線香を2本取り出して、

    ろうそくに近ずけて、線香は煙を立てた。

     そして、チィーンと一回リンを鳴らし、目を閉じて、手を合せたまま黙ってしまった。

    少し声を震わせながらおばあちゃんのエプロンを引っぱった。

    「あの夢は、あの夢は何かの罰なの?」

    沙代は、それが心配だった。

     

     おばあちゃんは、両手を合わせて「ありがとうございます。ありがとうございます」

    と3回繰り返した。

    誰に向かってお礼を言っているのか、念仏でもなさそうなんだけど。

    いまは念仏とか言っている場合じゃない。

    それどころじゃない。

    何も ありがたくはないんだから。

     

     沙代は、もう一度、おばあちゃんのエプロンを引っ張った。

    おばあちゃんは、わたしの不安を変わっているのに、ツゥ〜ンと澄まして知らん顔をしている。

    なんで?なんでよ。助けてよ。助けてってばぁ〜。もう〜早くどうにかしてよ〜ぅ。

    沙代はおばあちゃんの左肩が斜めになるほど、エプロンを強く引っ張った。

    それでも、おばあちゃんは知らん顔して、手と手を合わせたまま凛としている。

     こんな時のおばあちゃんは少し怖い。

    何と無くいつもと違って、沙代の知らないおばあちゃんの顔になる。

    こんな時というのは、この仏様の前に座っている時のおばあちゃんの顔というか、座っている姿が違う。

    茶の間に座っている時のおばあちゃんじゃない気がして、怖くなる。

    だから、この仏壇の前に座るのも怖い。

    おばあちゃんが、この仏壇の中に吸い込まれて行きそうだから。

     

     暗いこの部屋の中に、沙代は自分一人だけどこかに取り残されてしまったような孤独感に襲われた。

    シィ〜ンとしたした静寂な空気が流れている中で、知らないおばあちゃんの姿だけを映し出している。

    なんか言ってよ。

    あの夢は何?あの夢は夢?あの人は誰?何か意味がある気がして怖い。

     

     沙代の不安への怖さへの我慢は、もう限界に達していた。

    おばあちゃんのエプロンを強く握っていた沙代は、その白くて小さい手を、スゥ〜と放した。

     おばあちゃんは助けてくれないんだ。

    わたしは・・・・・・もう終わりなのかも。

    沙代は、そう心の中で呟いた。

     

     すると、おばあちゃんが急にニコニコと嬉しそうに笑い始めた。

    笑い声は聞こえない。でも分かる。

    大きなぶっちょいお腹がエプロンを揺らしている。

     

     ・・・・・・優しいおばあちゃんが笑っている。この人は誰?

    沙代は、信じられない光景を見て、大好きなおばあちゃんが悪魔のように思えてきた。

    ・・・・・・ だぁれも 信じられない。

     沙代は頭から足先までが、凍っていくのを感じた。

    すると、おばあちゃんの鼻息でなのか、ろうそくの灯りが、

    ゆらぁ〜り、ゆらぁ〜りと沙代が座っている方へ、大きく斜めに揺れ始めた。

     

     その灯りが とっても 優しく あったかく思え

    そのろうそくの灯りから 冷たくなった頬を寄せたくなるような雰囲気に誘われた。

     少しだけ そっと 体を斜めにして 頬をろうそくの灯りの方へ近づけてみた。

    ・・・・・・あったかい。

    ただ、ろうそくが燃えているだけなのに、あったかい。

    ろうそくの灯りは、沙代の頬を撫でるように、ゆらゆらと揺れている。

     そう、それだけなのに、なんとなく、心の中で 「ごめんなさい」と呟いている。

    何がなんだかわからない。だけど、何と無くそれでいい気がする。

    安心する。

    いつも 「お前はなんで泣かないんだ」って言われるほど、人前で泣いたことがない。

     だから・・・・・・かも。だけど・・・・・・かも。

    沙代が見ていたろうそくの灯りが見えないほど、ポタポタとあったかい滴が溢れて止まらない。

    ・・・・・・わたしが 泣いている。

    不思議。だけど、なんか良い。

    このまま、泣かせてほしい。

     3歳くらいまではよく泣いていた。

    だから、躾の厳しいおじいちゃんから

    「人前で泣くのは親が死んだときだけだ!そんなに泣きたいのは、お父さんとお母さんに死んで欲しいのか!」

    と怒鳴られた。

    それから、人前で泣くのを我慢した。泣いて悲しむ心を打ち消していた。

    感動しても泣かない。ぐっと我慢してきた。

    だけど、今泣いている。それで良いと言ってくれている気がする。

     おばあちゃんの顔が静かに頷いているのが、涙で周りの情景が万華鏡みたいにみえる目から見えた。

    おばあちゃんは、3回深呼吸をした。

    その度に、ろうそくの灯りは沙代の方へ、ゆらり、ゆらりと、また寄り添ってきた。

    「手と手を合わせる合掌はね、右手が先祖、左手が子孫、真ん中で包まれているのが、この世。

     沙代は、この世で、先祖と子孫の橋渡しをする人の生まれかわりかもね。

     右手が過去、真ん中が今、左手が未来。右手が前世、真ん中が現世、左手が来世」

    「わたしって何の生まれ変わりなの?人?動物?本当はネズミとか?」

    「ここの先祖が代々大切にしてきたあの白い衣を着ている天女。あの神様は沙代が生まれるずっと前から・・・・・・」

    「神様?それって本当はお化け?幽霊?悪魔?妖怪?」

    床の間の天井に描かれている天女や鬼の絵を見上げた。

    本当は天女ではないのかもしれない。

    いや、天女でも怖い。神様?

    神様でも困る。普通がいい。

    魔法使いみたいな神様なら良いかも。

    ドラえもんも悪くはない。

    いや、嫌だ。いやだけど良いかも。

    おばあちゃんの言っていることを信じたいけど、信じられない。

    信じられないけど、信じたい。

    本当に 神様なの?

    ・・・・・・私は、一体だれ?

    沙代の頭の中では、空想と妄想と欲と願望とが、グルグル、ゴチャゴチャと、

    くじ引きの当選商品は何が当たるのかを待っているような感じだった。

    えっ?何考えてんだろう。

    神様でも魔法使いでも 鬼でも 困る。

    普通がいい。普通の人間で良いのに。

    おばあちゃんは、合掌していた手で、沙代の右手を包んでくれた。

    「人を幸せにする神様だから、安心しなさい。昔の神話だけどね・・・・・・」

     そう言って、おばあちゃんは、『サヨヒナ』という女の神の神話を話してくれた。

     

     沙代のお家の横を通っている坂道を上がると、

    沙代の先祖から代々受け継がれて守っている冨士ケ丘神宮がある。

     

     

     そこに、サヨヒナと言う女の神がいた。

     

     サヨヒナは、雨などの民の生活を救う神ではない。

    学問の神様でもない。

    サヨヒナは病で苦しんでいても、あの世へ行くのを恐れ、

    痛みでもがき苦しんでいる人達を、安らかにあの世へ送り出してくれる神。

     

     病気になると、死が近づくと「死にたくない」「死にたくない」「苦しい」と、

    苦しみながらもがいて、その苦しみから逃れようと、必死に手を伸ばしている人がいる。

    「死期」が来るのを恐れ、苦痛に耐えながら、もがき苦しむ。

    それは 魂がまだ未熟なまま、死を迎えてしまうから。

    これは、沙代にはまだ 難しいお話だったねと、おばあちゃんは付け加えてくれた。

     

     沙代に今言えることは、あちらへ行くタイミングを逃した者は、もがきながら死んでいく。

    サヨヒナは、『安らかな死』を導く神様だってことよ。

    人を助ける良い神様。

    霊の高い神様よ。

     

     そして、冨士ケ丘神宮の後ろには、『開かずの間』があり、

    そこには、サヨヒナを守った霊鳥が祀られている。

    三羽の霊鳥は、守護霊に姿を変えて、サヨヒナを守り続けたという神話があると話してくれた。

     

     守り神が3つも付いてくれているなら、お化けが来ても私が逃げても、守り神が戦ってくれるんだ。

    お化けは怖いけど、サヨヒナには興味が湧いて来た。

    それに、知っている人のような気がした。

    その名前を聞いた時、違和感がなかった。

    懐かしい空気が線香の香りと一体した。

     その瞬間、沙代自身の何かと何かが繋がったと、

    何となく、そう感じた。

    「じゃぁ〜、昨日はそのサヨヒナが来たの?お祭りの夜だったから?」

    「さぁ〜それは分からないわよ。だっておばあちゃんは、沙代の夢の中の人にあっていないんだからね」

    おばあちゃんは笑っていた。

     けれど、急に黙って手と手を合わせて、また合掌をし始めた。

    「沙代、仏様が喜んでいるのよ。お線香が丸く円を書いているでしょ。これは滅多にないことよ」

    おばあちゃんは、

    「ありがとうございます。ありがとうございます」

    と、また唱え始めた。

     何だか 普通じゃないことが起こるのかもしれない。

    それって何だろう。

     おばあちゃんが、こんなに何度も先祖様にお礼を言うくらい、凄いことなのかもしれない。

    おばあちゃんが喜ぶなら なってみても良いのかも・・・・・・その人に。

    「どうすればサヨヒナみたいになれるの?」

    おばあちゃんに尋ねた。

    「お友達と沢山外で遊んで、自然を感じなさい。それから、何事にも感謝してね。

    人を恨んだり、僻んだりするとそれはやがて憎しみとして自分に返ってくるから」

    「おばあちゃんは、おじいちゃんからいつも怒鳴られても、どうして怒らないの?」

    「おばあちゃんは、沙代をこの世に送り出すために埋めれてきたから幸せだよ。幸せは人それぞれ」

    「でも、もっと、優しい人と結婚すればよかったのに」

    「優しさは人それぞれなのよ。自分が良いと思ってした事が、相手も同じように喜ぶとは限らないのよ」

    「でも、意地悪な人がいると許せない」

    沙代は、誰か強い味方がいるみたいに、今まで言えなかった言葉を口にした。

    沙代の家では、人の悪口をいう人がいない。

    なんとなく人の悪口はご法度みたいな空気が流れている。

    だから、悪愚痴を言ったことがなかった。

     それに、沙代自身も人のことに興味がなかった。

    友達が素敵な洋服を買ってもらったと自慢しても、どこかへ旅行へ行ったとか、

    誰かが誰を好きだとか興味がなかった。

    他人の人生は自分に何にも関係ないからだった。

     おばあちゃんは、合唱をしたままだった。

    沙代から見ると、合唱している手と手の間から、何かを覗き込んでいるようにも見えた。

    占い師みたいに何か見えているのかも。

    「おばあちゃん、その手と手の間から何か見えるの?」

    「何も見えないよ。”無”って事かな。”無”って純粋よ」

    ・・・・・・おばあちゃん。

    それって理解不能。難しいよ。

     でも、沙代は”無”というのがどういうものなのか感じたくなった。

    いつもは怖くて、形だけだった。

    手を合わせて目を閉じるのは一瞬だけしかしなかった。

     目を閉じて、両手を合わせて合掌。

    静かにスゥ〜と息を吸って、ゆっくりウゥ〜と長く息を吐いている。

    おばあちゃんがそうしているわけじゃない。

    自然と体が、そうしている。

    私じゃない。

    誰かがしている。

    あなたは・・・・・・だれ?

     でも、何も見えない。

    おばあちゃんが行った通り何も見えない。

     ただ、沙代の残像の中にあるろうそくの灯なのか、

    目を閉じていても暗くはなく、目の中にはオレンジ色の明かりが灯っている。

    「神様って偉いの?なってほしい?怖くない?」

    「神様は偉い人です。先祖も偉い人達です。でも、今一番感謝しなければならないのは今一緒にいる人よ」

    「・・・・・・おばあちゃん?」

    おばあちゃんは、クスッと笑った。

    「おばあちゃんじゃなくて、お友達とか先生とか、沙代が知っているみんなよ」

    「でも、苦手な人がいるの。そんな人にも感謝するの?そんなのできない。したくない」

    「勿論、おばあちゃんにも合わない人もいる。そんな人とは触れ合わなくて良いのよ。

     感覚的に合う合わないはあるから、それは良いのよ。ただ、その人を憎まないことの方が大切よ」

    「良かった。関わらなくて良いんだ」

    「沙代、巡り合った全ての人に感謝して、全ての運命を受け入れなさい」

    「物凄く辛いことがあっても?それに感謝するの?出来ないよ」

    「出来ないから、出来るようにしてくれるんですよ」

    ・・・・・・おばあちゃん。

    「沙代が幸せでありたいと思いたいなら、ありがたいと思えば良いのよ」

    「なんでも 幸せだなぁ〜って思えば、それは、しあわせな出来事になるのよ」

    「おばあちゃん・・・・・・何者なの?」

    「沙代、沙代の沙っていう漢字には意味があるのよ。

     運命は川の流れのようなものでね。その流れの中で少しだけ、

     人の身代わりになって苦しみから救う。それが沙代の使命なのかもしれないね」

    そう答えて、チィーンと鳴らしたリンの音が、線香の煙と共に、

    天井に描かれている鬼達を静かにさせるかのように部屋中に鳴り響いた。

     

     沙代は そのリンの音が鳴り響いていく天井を見上げ、フワフワ浮いている天女の方を見つめた。

    これって もしかしたら ・・・・・・。

    もしかしたら・・・・・・もしかしたら・・・・・・。

    昨日会った人は・・・・・・この人なのかも。

    もしかして・・・・・・もしかしたら・・・・・・。

    わたしは・・・・・・この人なのかも。 

    真っ暗くて広い応接間の中で、白い天女だけを映し出していた。

    なんとなく、そうなんだと伝えてくれている感じがした。

     

     仏壇の前にあるろうそくの炎は、見た事もない程、大きく揺らぎながら、

    おばあちゃんの体を全部包み込んでいるかのように、おばちゃんの体の周りを金色に輝かせていた。

     なんか悪くない気がしてきた。

    沙代は、ままごと遊びとか、集団行動が苦手だった。

    嘘をついて友達を悪者にしている人をみると、虚しい気がしていた。

    それらは、つまらない時間としか思えなくて、参加できなかった。

    だから、一人で過ごす時間が好きだった。

     人の苦しみを身代わるなんて、私が苦しむって事じゃない。

    それって、嫌だけど、嫌じゃない気もする。

    それで、誰かが喜ぶなら、楽しいかもしれない。

    それなのかもしれない。

    そう、そうなのかもしれない。

    おばあちゃんを信じてみようかな。

     

     でも、おばあちゃんが言った

    「魔法使いになるには、ラジオ体操へ行けるように、朝早起きをすればね」

    と言う言葉だけは、頭の中から素通りさせようと打ち消した。

     

     ・・・・・・わたしの 前世ってなんだったんだろう。

    知りたい。

    いつか 見てみたい。

    いつか しりたい。

     

     自分の前世がわかったら 良いのに。

    分かったからって 事実かどうかわからない。

    でも、なんとなく 自分が生まれてきたのには 意味がある気がしてきた。

     

     だから、知りたい。

    自分の前世を。

     

     

     おばあちゃんは、次の日から、

    「ありがたいねぇ〜」を口癖にするようになった。

     

     そのせいでか、沙代の頭に中には、「ありがたいねぇ〜」が連呼するようになった。

    おばあちゃんの力で 沙代の潜在的意識は 「ありがたい」という言葉で満たされた。

     

     これが 大事な 子育てだと思う。

     

     

     

             

    また いつか そうね いつまでも でも 消えてしまうから その日まで

    2019.01.04 Friday 17:17
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       小さい頃 母が教えてくれた事を

      適当なこと言っていると思っていたけれど

      今 何故か 心に染みる。

       

       私の名前は「雪」

      そ由来を聞いたら 母はこう言った。

       

      「雪」の結晶を絵で表すと 時計に似ているからよ。

      時計の0時3時6時9時が結晶の尖っている所。

      尖っているのに 丸く思える。

      心が満たされている時だけね。

       

       母は それから こう綴った。

      雪は やがて溶けて消えてゆく。 永遠ではない。

      時間も同じく 永遠ではない。 自然の中で 

      自然に身を任せて 永遠では無いものに 感謝しなさいと。

      体内時計も同じ。

      「時には動」「時には静」で良いの。

       

       

       

      心と体のバランスを保てば 丸く見えて 満たされるから。

       

       綺麗だった母の目尻に 笑いシワを見つけて思う。

       

      母  そのものが 雪に思える。

       

       いつまでも・・・・・・。

      それは 永遠に叶わない運命でもある。

       

       本当の名前の由来は 違うのかもしれない。

      だけど 母は 時間は絵年では無いことを

      名前の由来を介して

      私に 伝えたかったんだと思う。

       

       母は 私たちの考えに 口出しをしない。

      ただ じっと 子供がどうするのかを見てくれたいた。

       

       それが どれほど 大きな愛だったのか

      今 少し わかる様な気がする。

       

       時計の針の音が 静かに 刻み込まれて来た思い出。

      そこに 母の怒りの声は 聞こえてこない。

       

       それが どれほど 大きな器の人格なのか

      今 大人になって ようやく感じる。

       

       母は いつも 何も言わないのに、

      タイミングよく 私に寄り添ってくれる時がある。

       

       母の 心の中にある時計の針は 静かに リズミカルに 

      そして 耳をすませて タイミングを見る。

       

       母は それを 教えてくれていた気がして

      心が震えてしまった。

       

       純粋に 見返りを 求めない 愛情だから、

      嫌味がない。

       

      雪の様に 溶けてしまう その日まで

      時計が止まるその日まで

      母が 笑って過ごせたら 良いのにな。

       

      尖った雪の結晶さえも 丸く思える 優しさあれば。

       

      そうなんだね。

       

       お母さん・・・・・・。

       

      ただ 一言 ありがとう・・・・・・。

      これって 丸?かな。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

      サヨヒナ物語

      2018.12.27 Thursday 22:39
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        タッタッタッタ。ラジオ体操がもうすぐ始まる。ラジオからおじさんの声が聞こえている。

        今日は ちゃんとラジオ体操に間に合わなければ・・・・・・。

         

         田んぼには、台風や雨にも負けないで、土と一致した緑色の稲穂が綺麗に並んでいる。

        朝陽が山の頂上にやっと届いたのか、木々の間から眩しいほどの光が、

        田んぼの中で隠れているオタマジャクシを

        キラキラと映している。

        一瞬、オタマジャクシを弄って遊びたくなったのを我慢した。

        そんなことをしている暇はない。

        今日は、ちゃんと、いい子にしなきゃ。

        いつも、朝寝坊をして、ラジオ体操へ行かないからあんな事が起きたんだ。

        田んぼの中では、お米ができるために必要な水が、朝陽の光を反射してくる。

        無邪気に泳いでいるオタマジャクシが、遊ぼうよと誘っている。

        「後で遊んであげるから。今は忙しいの」

        沙代は、聞いてくれているはずもないオタマジャクシに話しかけた。

         

         夏休みになると、沙代にとって、どうでもいいと思えるラジオ体操が行われる。

        沙代は、自慢ではないが「朝寝坊」という呼び名があるくらい朝が大の苦手だった。

         

         でも、今日はどうしても、このラジオ体操に参加しなければならない。

        任務を遂行しなければ、優しいおばあちゃんだって許してはくれないだろう。

         

         なんとなく、沙代にとって一世一代の大事件が怒るかもしれない嫌な予感がして、

        昨夜からずっと起きていた。多分・・・・・・だけど。

         

         でも・・・・・・背中を誰かが押してくるような・・・・・・。

        誰かが側にいるような・・・・・・。

        そう。

        誰かが・・・・・・ほら!進みなさい。ほら!行きなさい。

        そんなことを囁いている気がする。

         

         沙代は、オタマジャクシを置き去りにして、太陽に光を再確認した。

        おばあちゃんが「朝の太陽を見て目を閉じるのを、3回繰り返すといい事があるのよ」

        と朝寝坊の沙代に、教えてくれた事がある。

         沙代は太陽の光を、見ては閉じ、見ては閉じ、見ては閉じて残像を確認した。

        瞼にはオレンジ色の明かりが、自分を照らしてくれているのを実感した。

        ・・・・・・おばあちゃんが言っていたのはこれなのかもしれない。

         

         太陽が味方してくれている。私は大丈夫。

        背中が急に暑くなった。私は何かに包まれている。

         

         沙代の家から、走って5分の所にあるラジオ体操が行われる公園に

        猛烈な勢いでダッシュして、公園の前にたどり着くと、みんなの姿が見えてきた。

         

         走ったなんて言えない。

        ” 朝の早起きなんて余裕余裕”というように、ゆっくり歩いて公園の中に入って行った。

        しかし、大股で歩いているのが、自分でおかしくなってクスッと笑ってしまった。

         

         直ぐにラジオ体操が始まった。

        良かったぁ・・・・・・救われた。

        みんなが珍しい奴がきたという感じで沙代の方を、ケラケラ笑いながらラジオ体操をしている。

        それはそうだろう。

        この6年間ラジオ体操のカードに印鑑を押してもらったのは数回しかない。

         今日みんなにどうしてラジオ体操に来たかを話すのは面倒臭い。

        嘘がつけないから、正直に話してしまいそうで面倒臭い。

        (早く終わって欲しい。ラジオ体操の任務の後、聞かなきゃ大変なことになりそう)

        沙代は背中に誰かくっ付いていないかを、誰かに聞きたい気持ちを抑えた。

         

         ラジオ体操が終わるのを待っていたかの様に、

        近所のおじさんや村長さんや友達から、何かやたらと揶揄われた。

         ここで逃げたら、また、近所で ”悪い子”のレッテルを貼られてしまう。

        沙代は、笑顔で「また明日もきます」と大きな声で叫びながら、公園を後にした。

         

         急がなきゃ!急がなきゃ!早く、早く帰っておばあちゃんに聞かなきゃ。

        沙代は走った。元々走るのは得意だったから、直ぐ家に着く自信がある。

        全速力で走った。目の前にあるおばあちゃんの姿を追いかけた。

         

         途中で、スギ林から射し込む光を浴びてか、

        ポーン、ポーンと元気に飛び回っている真っ赤な赤とんぼの群れが、

        全速力で走る沙代の前を邪魔してくる。

         「あなたは私の味方なの?どうして・・・・・・どうして」

        いつもは気にならない赤とんぼが、群れをなして沙代の前を飛んでいる。

        沙代は心に中に打ち消していた不安が込み上げて来た。

         

         モヤモヤした胸騒ぎがして泣きそうになった。

        走っていた足を止めしばらく真っ赤な赤とんぼを見た。

        呑気に飛んでおり赤とんぼさえ、沙代をどこか知らない所へ誘っている気がした。

        このまま・・・・・・どこかへ・・・・・・知らない世界へ連れていかれるかもしれない。

         

         沙代は 足が震えるのを抑えきれず、沙代の家まで続いている坂道にしゃがみ込んだ。

        上を見ると、真っ赤な赤とんぼの群れは、フワフワと浮いている様にも思える。

         坂道の脇に真っ赤な曼珠沙華の花が沢山咲いている。

        曼珠沙華は毒を持っているので、虫は近寄らないと、おばあちゃんがお墓参りの時に教えてくれた。

         

         沙代はそれを見て、スクッとしっかり立ち上がった。

        「もう!邪魔しないで!早く行かなきゃならないの。私のおばあちゃんは曼珠沙華より最強なんだから!」

        目の前には、太陽の陽射しが燦々と照らしている。

         それを確認して赤とんぼから拐われない自信が湧いて来た。

        赤とんぼは、まるで沙代の不安を見透かしているかの様に、

        沙代の目の前で近寄っては離れ、近寄っては離れていた。

         

         大丈夫。怖くないもん。泣き虫沙代はなんの根拠も無い独り言を呟いて、

        沙代の細く長い右手を 太陽と重なる様に 高く高く伸ばした。

        そして、フワフワ飛んでいる赤とんぼを払いのける様に、また走り出した。

         

         早くおばあちゃんのいる家へ帰らなきゃ。早く帰りたい。早く会いたい。

         

         おばあちゃんに会いたい。 

         

         おばあちゃん助けて!

         

         

         

         

         

        「さようなら」の言葉の中に

        2018.12.19 Wednesday 20:24
        0

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          「さようなら」の言葉の中には

          「ありがとう」の思いが込められているね。

           

           君へ 「 さようなら 」を告げた夜、

          僕は君へ言っておきたい事が、まだ沢山あることを痛感して

          ワイングラスが揺れている。

           

           だからね・・・・・・。 

           本当はさぁ・・・・・・。

           

           星の見えない窓越しから 見えているのは

          また 元に戻れる観覧車。

          その灯りが 深く 深く 心に映る。 

           

          もしかしたら そういう事なのかな?と期待をしてしまう。

          いや 違う。

          「さようなら」

          それで良い。

          それで 良かったんだよ。

           

          「さようなら」の言葉の中には

           「げんきでね」の思いが込められているんだね。

           

          「さようなら」の言葉の中にはに

          「しあわせに」の思いが込められているみたいだね。 

           

          「さようなら」の言葉の中には

          「またいつか」の思いを込めて

           

          「さようなら」の言葉の中には

          「きみらしく」の思いを込めているんだよ。

           

          「さようなら」の言葉の中には

          「さみしいよ」の思いを込めている。

           

          「さようなら」の言葉の中には

          「君が いなくても 大丈夫」と誓った思いを込めている。

           

          「さようなら」の言葉の中には

          「これからは その純な愛を 多くの人へ与えて欲しい」という思いを込めている。

          俺だけが独占するには 勿体無い。

           

          君ならば できるはず。

          もっと 沢山の人へ 

          「 癒しの空間 」をもたらす事が。

           

          だから こそ 君と「さようなら」

          これは 俺なりの優しさなんだけど、

          君はわかってくれるだろうか。

           

          「そんなの 分からないよ」と、目頭に涙をためて

          微笑む君の横顔が 可愛らしくて 

          抱き寄せてしまいそうになったのを グッと我慢したんだよ。

           

           君を信じ 僕は 僕自身を信じて 君と「さようなら」

           

          どこにいても 僕は ここにいるよ。

          どこにいても 君は ここにいるよ。

           

           心の中で 繋がっているから 大丈夫。

          君が 一人で 泣いていても 元気になるって信じているから 大丈夫。

           

           一番悲しいのは 君が 他の奴としあわせになる事じゃなくて

           悲しい時 さみしい時 不安な時 心配な時 怖がって泣いている時

          側にいてあげられない事で

          何も 君に手を差し伸べてあげられない日がくるんだと思うと 

           深いため息が 涙を押し出してくる。

           

           どこかで 君が もっと すごいことを成し遂げると信じている。

          もしも また どこかで 君に出会えたら

          「やれるじゃん。できるじゃん」。と褒めてあげるから。

           

          だから 大丈夫 。

          僕のことは 忘れて。                                  

           

           もう ここへは 戻ってこない運命だから

           「さようなら」

           

          「さようなら」の言葉の中には

          「君なら 大丈夫」の思いを込めて。

           

          でも もし 夢で逢えたら 

          一緒に ずっと 手を繋いで居たいと告げようかな。

           

           

           

          河津桜の咲く頃に

          2018.12.14 Friday 13:46
          5

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           伊豆の踊り子」の像の陰

          小さく可憐な姿あり

           

           花火のような水花火

          君にかかれば 輝きたる 

          真珠に見えるは 愛しさかな   

           

           心震えし 衝撃に

          水浅葱の滝の音さえ 消し去りし  

           

           君は何処から来たのかと 問うてみれば

            その場その場の伝え人と 答えし声が

          純粋さを 伝えてくる。

          これまた 趣ある性である。

           

           何を伝えているのかと問うと

          その場 その場で 必要な人間像を 読み取って

          自分で その場所に 必要な 人間像を 作り出していくのですと。

           

           例えば?と問うと

          その場 その場 その居場所で 女優になる事と

          笑う君の口元の あどけなさは影の中 。

          プライドさえ捨て去った 哀愁を感じる影もあり。

           

           我が心の 淋しさや 侘しさを募らせた思い重くて

          作り出された夢の世界かと 不思議な空気が流れている。

           

           天女のような 神に思えたり 

          心が震えるほど 心配になったり

           

           龍の神話さえ 信じたい   君との恋物語。

           

           これが 最後の恋だからと

          魂が心の中で 木霊する 

            

           このまま 滝に流されたいほど 

          君に溺れた我が心は 戸惑い迷っている恥ずかしさ

          君に知られたら 嫌われるかもしれないと

          我が心の中では 震えている手を

          君へ差し伸べし 

           それも また 恥ずかしさ溢れるばかりで

          思わず ポケットに手を入れてしまった意気地なし。

           

           抑えきれない 想い募らせたまま 

          蛍を一人で見るのなら

           

           川津桜の咲く頃に 

          散りゆく 桜の花びらを 君と見送りたいから

           

           旅人よ お家へ帰ろうと 誘おうかな。

           

          「サヨヒナ物語」   比喩表現

          2018.12.13 Thursday 13:08
          0

             

             

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             夜深い頃、”パカン、パッカン。パッカァ〜ン。ドサドサ。バサッ、バサッ、バサバサッ”

            折竹の音が、凍りついているような冷たい耳の中に、静かに優しい音が響いてきた。

            外は雪が積もっているようだ。

            どれくらい雪が積もっているのだろう。

            牡丹雪だろうか。粉雪だろうか。

            吹雪ではない。

            静かだ。

             深く深く 重みがある 白い雪が

            妬みや僻みや恨みある 虚しい自分を消してくれている。

             どんな雪でも構わない。

            山間の中で 折竹の音が 響くほど 沢山降ってくれている。

            まるで 竹は 私の抱えきれない虚しさを 代わりになって 受け止めてくれている。

            それを 支えきれずに 折れてしまっているような気がする。

            そんな 竹に感謝。

            そんな 山に感謝。

            心の貪欲な虚しさを 消してくれている雪に感謝。

            雪は 白くて 綺麗な 妖精。

             

             一瞬、カーテンを開けて どんな雪景色になっているのかを、見ようかな?とも思ったけれど、

            どんな雪でも 構わない。

            現実は見ないほうが、良い時もある。

            幻想的な世界を 想像した方が 癒される空間を持てる。

             

             白い雪は 白き妖精の如く 惨めな自分を ゆっくり じっくり 消してくれている。

            折竹の音が 山を木霊して 白く積もった雪が 己を主張する。

             そう。

            どんな世界でも 自分を 大切にする強さが 必要であり、それが大切である。

             しかし、中々、弱い自分ばかり 見つめてしまおうとする。

            自分を 見失うから 不安になる。

            後悔してばかりいるから 悪い自分を 見つめて 

            暗い自分を 自分で追い詰めてしまう。

             自分を好きにならなきゃ。

            雪が溶けたら きっと 全部 忘れて いるはずだから。

             

             そしたら 輝いている自分を 想像しよう。

            雪の妖精が 笑ってくれているから。

            大丈夫だよ。

             

             我 情けあれば 光り輝く 人と成る。

             

            降り積もった雪は やがて 灰色の空を消し去る 太陽に消されていく。

            自然な中で 自然に生きれば 自然に人は 優しくなれるはずだから。

             

             見返りを 求めない 無情の愛を ありがとうございます。

             

            白い雪景色が 深い夜 君が元気になるのならと 降ってくれていると思えば

            眠りについているのを 覚まされても 心地よく感じる。

             

             どんな時でも そんな風に 考えよう。

             

            折竹の音に 感謝。

            こんな幻想的な音を 聞かせてくれて ありがとう。

            可憐な小さい一粒の 雪さえも 努めれば 強い竹にさえ勝ることができる。

             

             

             いまは それを 目を閉じて 深く 深く 味わいたい。

             

              耳を澄ませば 聞こえてくる 。

             

             自然な中にいる心地よい自分。

             

             耳を澄ませば 聞こえてくる。

             

             人の情けの癒し方。

             

             心のゆとりを 持てれば 良いのかな。                                 

             

            「癒されたいから」

            2018.12.10 Monday 11:12
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              JUGEMテーマ:こころ

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               優香は、魂が震えるほど、衝撃的な恋をした。

              優香が、大切に思っている人は、純粋で不器用な人。

              彼の名は 知幸。

               

               優香は、彼がいないと、生きていけないとさえ思え、どの場所にいても、

              何をしていても、心の中は彼の事ばかり。

               

               知幸も、優香と 同じように 

              優香のことばかり心配をしていた。

              ご飯を食べているのかな?泣いていないかな?悲しんでいないかな?

              一人で悩んでいないかな?

               

               なのに、彼が 選んだ道は 優香と別れることだった。

              「俺のそばにいたら、優香が苦労する。苦しむ毎日を送ることになる、優香には、笑って過ごして欲しい」

                

               優香を 大切に思いながらも、知幸は 優香へ

              「どこか違うところへ行ってくれ」

              と言った。

               

               優香は 悲しみや寂しさや 切なさや 恋しさや儚さを 

              暗闇の中で 何かにしがみつくように 必死に彼の思いを繋ぎとめようとした。

              それでも、余計悲しくなり、もう 彼のいない毎日などいらないと思う日々が続いていた。

               

               海の中に 身を鎮めよう

               

              毎日、夕陽を見ながら そう考えていた。

               

               そんな時、海岸沿いの公園で、みんなが可愛がっている野良猫が、

              優香の足にすり寄って甘えてくる。

               

               頭や喉のところを撫でてあげると、嬉しそうに、また、甘えてくる。

              そんな日々を過ごしながら、優香は いつの間にか

              「また、明日ね」

              と猫に声をかけるようになった。

               

               「また、明日ね」

              明日を終わらせようとしている優香は、この言葉で 自分の明日を 考えるようになってきた。

               

               「 彼の人生は 私の全てではない。これからは 自分を大切にして、私にような悲しい思いをした人へ

                 この猫のように 寄り添ってあげたい」

               

              人を 思いやり、人を癒したいと思っても 自分の心が 満たされていなければ 人は救えない。

              愛されている強さも 必要だけど、 愛する強さも必要だけど、

              まずは、 自分を 大切にしなければ なにも始まらない。

               

              健康で 元気で 笑って 優しく 邪気を持たず 何に対しても 意味があることだから、

              感謝して 感謝して 感謝して 自分が 幸せでいよう。

               

               そして、 そんな風に 誰かの 心を 癒せたら きっと もっと 幸せになれる気がする。

               

              別れも 出会いも 巡り巡っても  

              そこにいるのは 自分だから。

               

               

              もしも こんな 運命があったら 小説のヒントになるかな?

              2018.12.04 Tuesday 17:37
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                JUGEMテーマ:今日のテーマ・お題

                 

                 さやかは、いつも そう 子供の頃から 変わり者だった。

                友人と遊ぶのが 好きではなく、居心地が悪かった。

                友達はいる。しかし、どこか いつも 自分とは違う気がしていた。

                共闘性がないのか、一応、一人でいるのも、争いも嫌いなさやかは、友人と休日に過ごすこともあった、

                別段、楽しみにしていない。

                仕方ない日課にしか思えなかった。

                 

                 一人で 図書室で 読書をしたり、遺跡の洞窟の中で 原人たちの生活を想像する方が楽しかった。

                友達という友達はいない。

                 仲間という言葉の中に、

                「仲間外れにならない努力」を極めて、人をいじめたりくだらないことをする人がいる。

                そんな 虚しい人と遊ぶ気にもなれず、どこか みんなと距離を置いていた。

                 

                 正直な気持ちなど、言ったら、それが 噂として 周りに広まっていく。

                子供の頃から、私は 変わり者だったと思う。

                 

                 嫌われ者だったかというと、嫌われ者でもない。

                孤独なやつだったかというと そうでもなかった。

                それなりに、無理をして 違う自分を演技していた。

                 

                 正直に なれないから 人と群れるのは 疲れる。

                群れるためには 他人の面白いトピックスをつくって話す友人がいた。

                それを、悪いことだとは 思わない。

                くだらないから、関係を持たなくしたかった。

                 

                 だから、 本当は いつも 孤独だった。

                私は 思う。

                人は みんな 孤独なんじゃないかと。

                それが良かったり、悪かったりする。

                それが楽なような さみしいような わがままな感情。

                 

                 そんな自分らしくない毎日を送っていたら、ある時、川岸に 大きな蛙がいた。

                私は、毎日、その川岸にあるお地蔵さんのお花とお線香を備える係りだった。

                私の父親が、子供の頃に 一緒に泳いでいた男の子が、この川に流されて消えてしまった。

                 その子を供養のために 置かれたお地蔵さん。

                父は 私に そのお地蔵さんを悼みなさいと、お花とお線香を供える役目を任命した。

                 

                 変わり者の私だからだったからなのか、このお供えする儀式は嫌いではなかった。

                なんせ、みんなと夕方一緒に帰らなくて良いという利点があるからだった。

                 

                 そのお地蔵さんに、毎日 お参りをしていた、

                「さみしいですか?」「助けて欲しいと願いましたか?」

                川に流されたこが、どんな子供だったかも知らない。

                けれど、7歳から、15歳まで毎日お祈りをしながら、手を合わせて、お地蔵さんの気持ちを聞いていた。

                 

                 お地蔵さんは 何も言わない。

                それでも 毎日 続けていた。

                 

                そんな時、6月 紫陽花に雨がしたたり落ちるているのを 、横目で見ていたら、

                大きなカエルが 川岸に 偉そうに、どっしり腰を下ろして座っていた。

                 

                 カエルは 嫌いだった。爬虫類も猫や犬さえも 苦手だった。

                けれど、そのカエルは まるで置物のように、じっと、以前からそこにいず割っていたかのように固まっていた。

                死んでいるのか?私に背を向けている、背を向けているけれど、何かをアピールしている。

                 

                 カエルは 川岸のスベスベと滑らかな石の上に、置物のように陣取っている、

                嫌いなカエルだけど、カエルの背中が妙に優しく感じて 近寄って見た。

                 

                 カエルは 私の姿に気づいたのか、体を私とハント違法こうへと斜めに体制を変えた。

                小雨が 髪の毛を 少し濡らし、顔も濡れていた。

                山も空もどんよりとした、グレーの空の下 カエルは群れていないのに、私には雨が降り注いでいた。

                 

                 川の中で、かもが我関せずと、悠々と泳いでいる。

                静かな時間・・・・・・鳥のさえずりもない。 車が通る気配もない。

                勿論、ここには人が通ることなど、滅多にない。

                 

                 カエルが飛んで逃げたら 帰ろうと、じっとカエルを見ていた。

                このカエルは 怖くはなかった。何だか偉そうだけど、普通のカエルとは違う獣の気配がしなかった。

                 

                 カエルの方を恐々と、興味本位で斜めから見て見た。

                カエルは カエルのくせに カエルが あぐらをかいて座っていた。

                 

                グェ〜 ゲェ〜 エェ〜??? 自分の見た光景を疑った。

                倒れそうになり、逃げたくなったが 逃げることはできなかった。

                足が 震えて動けない。

                 

                 私は カエルのあぐらなんて 気のせいだと思い、また、カエルを見た。

                カエルは これが俺様の姿だ!という感じで 居座っているではないか。

                 

                 

                   

                 「もう何年になるかな?」

                カエルが カエルがカエルが カエルが 喋ったぁ、カエルが カエルが喋ったぁ・・・・・・。

                 

                もしかしたら、これは 夢の中かな・・・・・・。

                 

                 あの梅雨の小雨の中、カタツムリがノンビリと、動いていた。

                「君は もう ひとりじゃない。君の使命は違う世界なんだ」

                と私に言い聞かせているように。ゆっくり、ゆっくり 自分の殻を背負いながら止まった。

                 

                 止まってしまった夢のような空間の中で、聞こえてきた言葉は

                「僕は カエルに生まれ変わった。君は毎日、僕にさみしくないですか?怖くなかったですか?と心配をして拝んでくれた。

                 君の魂は、元々、霊界とこの世を言ったりきているんだよ。君は気づいていないだろうがね」

                カエルは、短い足で組んでいたあぐらを組み直した。

                私は その姿に笑いを我慢して見ていた。

                 

                「君は 手を合わせ 拝み 祈りを捧げていくうちに、本来宿していた高い霊の魂は、”人を助けたい”という願いを自分の使命に変え、その力を授かった。これからは 人の命を助けて行きなさい。命とは生命だけではない。心の支えが重要。

                ただし、ここの地蔵には おれのような、君のお父さんの友達だけが松浦割れているのではない。低い麗華の人もいる。

                それらも みんな 同じように 君は大切に思い、崇めてきた。悪いことではないが、自分をしっかり持って、「気」を振り払い、流していかないと、彷徨うものに頼られてしまい、自分の幸せはウナ割れて行くであろう。

                大切なことは 、浄化と 自分を信じ、人に感謝にて、人を悪と思わず、恨むでない。その心は全て自分の鏡のように、自分の運命に帰ってくるから。神に感謝して、人に感謝して、自分を大切に。そう何より大切なことは「人を好きでいること」

                 

                「守護霊は 人地ではない。力強い守護霊が 自分を守ってくれる力を活気してくれるのには、4体いるらしい。

                いいか。よく守護霊の言葉を聞きなさい。正しい方へ導いてくれる守護霊に感謝しなさい。誰かが何かしたとか、誰かのせいでなんてどうでもいい。自分で切り開いて行きなさい。君の力は 遠隔操作できるほど、苦痛を緩和できるパワーを持っている」

                「どうすれば、そんなことができるようになるんですか?」

                「純粋に 人を愛しなさい。見返りを求めない愛情こそが 真実の愛情こそが 人を助けれれるパワーです」

                 

                 

                    その後、カエルは  他のカエルと同じような姿になり、あぐらをかいていた足を、ぴよーんと伸ばし、

                川の中に入っていった。

                 

                   

                 

                 

                 

                人を僻んでもしょうがない。他人の人生、自分には何にも関係ない。

                2018.11.11 Sunday 09:50
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                  JUGEMテーマ:今日のテーマ・お題

                   

                   もうすぐ ここ 三宅島とお別れです。

                  ここで 学んだことは 「無」になること。

                  そして ものを大切にすること。

                  物を粗末にすると 物の有り難みがわからず、「物を大切にすることを学びなさい」

                  という運命がやってくる。

                  物を大切にしない人は 人も 大切にしない。

                  邪気を 持ってはいけない。

                   

                   人を ひがむ人がいる。

                  しかし、人の人生 自分には 何にも関係ない。

                   

                   「人を ひがむ前に 自分を見つめて」ここに本文を記入してください。

                   

                  夕陽が そう わたしに 教えてくれた。

                   

                  「想像してごらん」

                  2018.11.07 Wednesday 12:30
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                    JUGEMテーマ:幸福に生きる

                    JUGEMテーマ:残りの時間

                    JUGEMテーマ:病気

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                    JUGEMテーマ:生と死

                    JUGEMテーマ:こころ

                     

                    『カングウとスズ』

                    昔、大きな森があり、森の中に、二羽のフクロウがいました。

                    茶色い羽根のスズと白い羽根のカングウ。

                     

                    カングウは〈無償の愛〉という使命を持っていた。

                    見返りを求めない愛こそが、真実の愛である。

                     本当の優しさは、信頼であり、人を癒す力。

                    それを大切に思うカングウは、強い精神を養い、五感の修行を行っていた。

                    脳の中の潜在的な脳の書き換え訓練と習慣性。

                     

                     5感を養えば、生き物が元来もっている本能を養える。

                     

                    本能をきちんと使えば、不可能を可能にすることができるからだ。

                     

                     5感を養うには、「自然に出来た物を食し」「自然なままに」「自然の中で ありのままを感じる」

                    「オン、オフを切り替える」

                    「眠、動、静、笑、哀、喜」

                    「腹式呼吸」

                    「人の批判をせず、人を受け入れ」

                    「ひとを妬まず、ありがとうの言葉を」

                    「ひとを邪気に扱わず、物を大切にする」

                    「自分はできる。そう想像して」

                    「人を好きになろう」

                    「朝日を浴びて、同じ時間の中で 同じ事を繰り返せば 習慣性が身につく」

                    「習慣性が身につくと 排便コントロールができる」

                    「排便コントロールができると、消化管や脳の機能が上がる」

                    「そうすれば 自律神経がコントロールできる」

                    人は 自分を 自分でコントロールできない。

                    しかし、信じられるのは 「自分しかない」

                     精神的 肉体的 活力を維持すれば パワーが生じる。

                    このパワーを 無償の愛情で 注ぐ。

                     これは カングウが 神から与えられた宿命だった。

                     

                    スズは、「死にたくない」と苦しんでいる者に、呪文を唱えて眠らせる力を持っていた。

                    殺すのではない。安らかな死を迎えるための儀式。

                    人を看取る、または 人の死を悼みながら導くのである。

                     

                    魂が彷徨うことがあれば、他の人の体に乗り移り、

                    人の魂を食べてしまうという言い伝えがあったからだった。

                     

                     2羽のスズとカングウはお互い好意を寄せていた。

                    お互い同じ価値観の中にいて、お互いの声に心地よさを感じていた。

                    趣味も楽しいと思う空間も同じだった。

                    互いに強く 深く 今まで感じたことがないほどの感情に包まれていた。

                     

                     

                    スズの父である神ワタライは、この2羽は運命的な「ツインソウルの出会い」であると知っていた。

                     

                     「ツインソウル」つまり、魂の片割れ。

                    ツインソウル同士が結びつくには、それらに相応しい課題が必要だと考えた。

                    「まだ 早い。もっと歳をとり、いろんな事を学んでからではないと、2つの魂は結びつかない」

                    娘であるスズを思いやり、神ワタライは、

                    カングとスズを、空を飛べない人間に変えてしまった。

                     

                     ワタライは、カングウに告げた。

                    「残された時間とは?」

                    「この答えを探しなさい。この答えを見つける自分と向き合いなさい。もし、スズのいる神宮の扉を開けた時、答えを悟っていれば、

                     スズの守り神に成り、空を飛べる元の姿に戻れる」

                    「わかりました。わたしは必ずスズをフクロウに戻します」

                    ワタライとカングウは約束を交わした。

                     

                    『残された時間』その答え。

                     

                     そう。

                    スズは 人の死を導く力を持っている。

                    しかし、良い魂だけではない。

                    その世界には 沢山 彷徨った悪霊が ウヨウヨしている。

                     

                     そのスズを 守るには 残りの時間を 大切に思い、スズの魂にパワーを与える力を持たなければ、

                    スズはスズの宿命を全うできなくなってしまう。

                     

                    人を愛おしく思い、「死までの残された時間」

                    死んでから 人を悼むのではない。

                    残された時間は

                    人を悼む時間である。

                    「この世に 生まれて良かった」とそう思って逝かせてあげたい。

                    その必要があるから。

                    来世 また この世で 生きる事を 楽しいと 感じてもらいたいから。

                    来世 また この世で 人を優しく 包んであげたいから。

                    この世で 最後に 悲しい 思いを 残したまま 来世へ送り込むのは 虚しい。

                     

                     ワタライは、スズに告げた。

                    「生き物を、死への恐怖の苦しみから救うことができるようになれば、カングウと再会できる」

                    スズはワタライと約束をして、深い山中の神宮に住ませた。

                    スズは、カングウが答えを見つけ、いつかまた、逢える日がくると信じて、森の中の神宮で待ち続けた。

                     

                     スズは、毎日、毎日、いつも カングウの事を思い続けていた。

                    ワタライはスズに告げた。

                    「会いたいと思う想いが強いと、相手を引き寄せてしまう。まだ引き寄せてはならない。

                    まだ、カングウは修行中で達成していない。今、会えばお互いの魂のレベルを下げてしまう。そして永遠の別れがきてしまう」

                    「それまで ずっと こんな寂しい想いをするのなら、もう死んだほうが良い」

                    悲しくて 寂しくて 切なくて 何もいらないと思い、そうスズは呟いた。

                    「カングウは一人で、誰の助けも支えもなく、頑張っている。

                    本当に相手を思うなら、自分を大切にしなさい。そうすれば安心して、カングウは戻ってくる。信頼とは絶対的な安心であり、癒しである」

                    「わたしは 何をすればいいのか わからなくなりました」

                    「お前は 自分を見つめ直しなさい。同じ波長になれるように努力しなさい」

                    「わたしは わたしです。でも わたしは わたしではない」

                    「そう。今のスズは 自分が彷徨っている。それじゃ何も見つからない」

                    「自分を好きになってみます」

                    ワタライは 大きく頷いた。

                     

                     そう。

                    カングウは、無償の愛はあっても、悪いところも沢山あった。

                    物を大切にせず、すぐ捨ててしまったり、相手をわかろうとせず、理由も聞かず怒ったり。

                     スズは 物を大切にして、相手の心を受け入れる性格で、怒ったりせず、みんなの癒しだった。

                    邪気が全くなかった。

                    赤ちゃんのまま 育った感じだった。

                    けれど、そんなスズは、自分の魂が求めているものを打ち消して、

                    人の「気」や「波長」を合わせようとする。

                    だから、自分のことを 後回しにしてしまい、悪霊に取り憑かれ、病に伏せることも多い。

                     

                     

                     スズは、カングウという大きな支えを感じ取りながら、

                    カングウが居なくなった事で、「大切な物を失う」という本当の深い悲しみをしり、

                     「命の重さと生き人の尊さ」

                    それを、カングウが持っていた物と同じ〈無償の愛〉という形に変え、

                    村の者達を愛しんだ。

                     

                     そしてスズは、やがて「安らかに死を導くサヨヒナ」へと姿を変えた。

                    病気で苦しみながらもがいている人を、安らかに眠らせる呪文を唱え続けた。

                    人を心から思いやり、清らかな心で悼まなければこの呪文は唱えられない。

                     

                     スズも カングウも お互い 苦しいながらも 人を信じ 人を愛し 学びながら 年月を重ねた。

                     

                     このお話の最後は あなたが 作ってください。

                     

                    「想像してごらん」                   images.jpeg

                     

                     

                     

                     

                     

                     


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